ある日、美術館で視覚に障がいのあるアート愛好家と出会いました。

「絵の美しさを共有したい」。その一言が、このプロジェクトの出発点になりました。

視覚に障がいがあっても、アートの感動を味わってもらいたい　——　その思いが原動力となったのです。

そこから2年間、触覚と視覚の両方で楽しめる独自の技術を開発。点字や立体的な線画、音声や映像など、さまざまな手法を取り入れながら、視覚障がいのある方々と何度もテストを重ねました。

何が本当に伝わるのか。どんな形なら一緒に楽しめるのか。細部までこだわり、改良を重ねてきました。

やがてこの技術は、様々な美術館と連携し、広げていくことを考えております。

そして今、新たな展開として誕生したのが「画集カード」です。

リアルな立体イメージで描かれた動物たちに、触って感じる線画の起伏、鳴き声や特徴を伝える音声ガイド、さらには映像による解説までを一体化。見える人も、見えない人も、同じ一枚のカードで、同じ体験を共有できます。今後はさらに種類を増やし、もっとたくさんの楽しさと学びを届けていきます。